最近では"ぬい撮り"などで再びモンチッチがちょっとしたブームにもなっております。
もちろんそのままでも抜群のかわいさなのですが、世界に二人といないオリジナルの子がいたら、ちょっと自慢になっちゃいますよね。
えむりん工房としてはそんなお着替え(カスタム)のお手伝いをさせていただいておりますが、「自分でも挑戦してみたい!」という方も多いのではないでしょうか?
という訳でそんなモンチッチ・大助くんのカスタム方法を完成までの部分別シリーズで紹介していきたいと思います。
今回は『Step7.スリープアイ 白目の黄ばみと錆落とし』です。
実は私がカスタムで最も大切にしている工程で、これをすることによって人形に『命』が吹き込まれると言っても過言ではない重要なポイントになっています。
それでは早速見ていきましょう!
大助くんカスタム Step6『顔のリペイント』
最近では"ぬい撮り"などで再びモンチッチがちょっとしたブームにもなっております。 もちろんそのままでも抜群のかわいさなのですが、世界に二人といないオリジナルの子がいたら、ちょっと自慢になっちゃいますよ ...
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まずは準備するもの
今回の作業で使用するものを上げておきます。
- Step4で取り出したスリープアイ
- 除光液
- アルコール液(小分けにしたもの)
- 化粧パフ
- マスキングテープ
- カッター
- アクリル絵の具(白)
- 筆
- ミニルーター
- ニス(タミヤカラーXー22 クリア)
少し多めの以上10点になりますが、基本的には身近にあるものです。
マスキングテープ、ミニルーター、ニスに関しては以下リンクを参照して下さい。
マスキングテープ
長時間貼ったままにしないので比較的安価なもので大丈夫です
ミニルーター
長時間の使用はしないので比較的安価なもので大丈夫です
私は電源が近くになくてもどこでも使える電池式を使用しています。
ニス
タミヤカラーX -22 クリアを強く推奨します。
最も艶が出て仕上がりも良くなります。
作業前に確認しておきましょう!
スリープアイの分解
早速作業に入っていきましょう。
今回はわかりやすく片目の作業を通して解説していますが、実際には両目を同時進行でやっていきます。
まずはStep4で取り出したスリープアイの分解です。
下の写真のように金属のリングを外していきます。
次に目の部分を外していくのですが、茶色いプラスチックの台の上下を写真のように軽く押すと簡単に外すことができます。
無事外れたでしょうか?
目の横に金属のピンがありますのでそれを引き抜いておきます。
ちなみにまつ毛はカラーチェンジなどでドール用のものに変える場合以外はそのままにしておきましょう。
写真は既に接着が弱く取れてしまいました。その場合は後で付けます。
基本的にはまつ毛以外の「プラスチック台」「目」「金属ピン」「金属リング」の4つのパーツになったと思います。
それぞれ細かい部品なので無くさないようにしましょう。
アルコールで洗浄・殺菌
スリープアイの分解が終わったら次は洗浄していきます。
化粧パフにアルコール液を染み込ませて分解したパーツを拭いていきます。
但し、『目』のパーツは後程除光液を使ってきれいにしていくのでそのままにしておきます。
アルコール液で拭く所は「プラスチック台」「金属ピン」「金属リング」の3点です。
かなり汚れが取れると思います。
大助くんは古いものなので汚れの他に錆やカビが付着しています。
アルコールでそれを取り除き、殺菌していきます。
全て拭き終わったらもう一度きれいなパフで拭いて仕上げましょう。
金属部分の錆落とし
ミニルーターで研磨
次は金属部分「金属リング」と「金属ピン」をミニルーターで研磨していきます。
この作業をすることによってスリープアイの動作を販売当時のように滑らかにします。
作業前に金属粉などが落ちるため下にティッシュなどを敷いておきましょう。
ミニルーターは力を入れずに押し当てるだけで錆の部分が取れていきます。
余程力を入れない限り、金属が磨耗することはないのでピカピカに仕上げていきましょう。
金属ピンは手で回しながら上下半分づつ研磨していきます。
こんな感じで新品同様になりました!
アルコールで仕上げ拭き
ミニルーターでの研磨作業が終わったら細かい金属粉などを取り除くために再度アルコール液で仕上げ拭きをしましょう。
白目の黄ばみ落とし
瞳を外してマスキング
これから除光液を使って白目を拭いていきますが、必ず瞳を取り外しておきましょう。
なぜなら白目と瞳の樹脂の材質が違うためか、瞳部分に除光液が付着すると少し溶け出して劣化してしまうためです。
外し方は、瞳と白目の境目にカッターを入れ、少しねじると簡単に取り外すことができます。
このように外すことができます。
ちなみに『瞳カスタム』をする場合はこの瞳そのものを交換します。
取り外した瞳は無くさないように保管しておきましょう。
次にマスキングテープを貼っていきます。
目の茶色い樹脂の部分に貼っていきます。
予め少し短めにマスキングテープを2枚カットしておいて、目の両サイドからまつ毛に貼らないように中央に向けて貼る感じです。つまり1つの目で左右一枚づつ貼っていきます。
除光液で白目を拭きあげます
マスキングが貼れたら白目を除光液で拭いていきましょう。
樹脂の黄ばみ取りの方法として、漂白剤に浸けて日光に数日当てるなど、様々な方法を試してみましたがあまり効果がありませんでしたのでこの方法がベストかと思います。
まつ毛に除光液が付かないように注意して拭いていきましょう。
これだけ黄ばみが取れました!
この段階だけでもかなりきれいになってきています。
拭く前と比較してみましょう。
アクリル絵の具で塗装
これだけでもきれいなのですが、まだまだ命を吹き込むまでは至りません。
キラキラした透き通った目にするためにはアクリル絵の具で塗装をしていきます。
まつ毛に塗料が付かないよう気をつけながら薄めに色を入れていきます。
こんな感じに塗っていきます。
アクリル絵の具を塗り終わったら半日〜1日程度乾燥させましょう。
組み立て
塗料が完全に乾いたマスキングテープを剥がし、先程の分解とは逆に組み立てましょう。
もしまつ毛が取れてしまった場合はこの時点で取り付けをします。
まつ毛の裏表を確認して刺さっていた溝に差し込みます。裏表については接着テープがついている方を上に向けます(既にカーブの癖がついていると思いますのでそれに沿って差し込めば大丈夫です)
差し込んだら目の内側の接着テープが貼ってある部分に接着剤塗って固定しましょう。
尚、まつ毛のカスタムをした場合も同様にこの手順で取付けをします。
瞳をはめ込み
組み立ての最後に瞳を外した穴にごく少量の接着剤を付け、戻していきましょう。
接着剤が多いと隙間から溢れ出てきて固まってしまうので気をつけましょう。
瞳は「パキッ」と音が鳴るまで押し込んではめ込みます。
仕上げにニスを塗布
さて、いよいよ最後の工程です。
キラキラした生気のある目にするために仕上げのニスを塗っていきます。
ニスは冒頭で紹介したタミヤカラーのX -22 クリヤーを使っていきます。
このニスはプラモやドール作家さんの間ではお馴染みのものになります。
かなりオススメ商品ですのでまだお使いいただいた事がない方はこれを機に使用してみて下さい。
ツヤツヤになるように瞳と白目の両方にたっぷり塗っていきましょう。
完成です!乾くまで半日〜1日乾燥させます。
ニスに埃や糸屑がついてしまうとそのまま固まってしまうので埃の少ない場所で乾燥させましょう。
完成
今回は敢えて比較のために右目だけをきれいにしてみました。
作業前と作業後ではこれほど違ってきます。
まとめ
カスタムと言えばとかく毛皮の交換に目が行きがちですが、このスリープアイの処理に関しては、実はそれ以上に大助くんの魅力を引き立たせる事ができます。
最初にお伝えした『命』を吹き込むという表現も大袈裟ではない事がお分かりになると思います。
えむりん工房では地味ながら最も大切な工程としてカスタムのお手伝いをしています。
Step7 白目の黄ばみと錆落とし まとめ動画
写真と文章ではなかなか伝わりづらい点があるので動画にまとめてみました。
では次回はStep8.『新しい体を作る準備』を紹介したいと思います。
では、またね〜♪
大助くんカスタム Step8『新しい体の準備』
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